大企業が広告代理店離れをしている象徴の1つとして取り上げられていたのがコレ。
ホンダのユーザー情報誌です。
内容は、7月17日以降なら、誰でも読めるようです。
ホンダの過去と未来は、つまりこれということです。
この情報誌を300万部発行している。
この手の情報誌としては、やはり車関係の「JAFの会報誌」に次ぐ規模だとか。
内容は結構充実しております、この冊子は。
若干子供向けっぽいところがありますが、それは未来のユーザーを意識したものだからでしょう。
オトナにとっては、むしろ子供向けの解説の方がわかりやすかったりします。
ハイブリッドカーの詳細な説明とかは。
こんな冊子を、300万軒のホンダユーザーに無料で届けて、シンパシーを強める。
これでは、どんな雑誌も、新聞も、もちろんテレビすらも勝てるはずがない。
ホンダは、超高難度の「全国統一ホンダ模試」など、熱いファンサイトで有名ですが、紙媒体でもそれをやろうとしている。
イメージとしては、ネットはコアユーザー、紙はノーマルユーザーといったターゲティングでしょうか。
この紙媒体から、どれだけ販売に結びつくのか、効果は測定しにくいのは、どのメディアとも同じ。
ただ、ホンダとしては、広告代理店に支払う費用を抑えているのに、台数が上がっているのなら、効果があると判断できる。
そこが代理店の辛いところです。
09062904.jpgところでこの冊子、広報セクションが作っているのかと思いきや、そうではありません。
「営業開発室」という部署の発行です。
2008年度の有価証券報告書を見ると、営業開発室が属する日本営業本部とは別に、広報部がある。
広報部は本社直轄。
つまりこの冊子は、全社的な広報・宣伝というよりも、もっと営業寄り。
今までの宣伝セクションは、営業部門から見れば、聖域のようだったと思います。
無数のお客さまに紹介したい自社製品を、クリエイティブという芸術をマスメディアに乗せて引き寄せる。
ある意味では魔術でしょうし、錬金術でしょう。
それが広告関係の仕事に対する魅力を引き上げていたはずです。
でも、人がテレビを見なくなり、見たとしても録画でCM飛ばしが当然となれば、その聖域は崩壊する。
これまでは、その効果が見えにくい理由をケムに巻いて来たけれど、そんなことももう許されない。
ネットがその効果を明確に提示できるだけに、マスメディアでガッポガッポと稼いできた代理店には厳しい時代となりました。
今回の世界的不況の影響を、最も強く受けているのが広告業界。
どこの会社も悲惨なようです。
ホンダの広告宣伝費は880億円(2008年度)。
この数字が、今期さらに減ることは確実。
そして、外に流れる量が減ることも確実。