旧来重視されていた指標
ページビュー(PV)
eコマースサイト(や他のサイト)を運営する場合、訪問者1人あたりのページビューが増えるのはいいことだろうか、悪いことだろうか? ナビゲーションの設計が悪ければ、ページビューは増えるだろうが、購入者は減るだろう。逆にナビゲーションが優れていれば、ページビューは減る。
ただし、商品の価格が高いこともすぐに判断され、結局はサイトを去るだろう。どちらの場合に当てはまるのかは、ページビューのレポートだけを見ても判断できはしない。そもそも、ページビューを観測する際に、訪問者の理想的な行動はどういうものだろうか?
ヒット
ネットの草創期には、ヒットはサーバに寄せられたデータ送信リクエストを表していたため、ヒットをWebページやコンテンツの要求と解釈してまったく問題なかった。ヒットの増加はコンテンツ消費の増大、すなわち訪問者の増加を意味していた。
しかしながら、現在はヒットにほとんど意味はない。というのも、Webページにはありとあらゆる画像やメディアデータが埋め込まれているからだ。平均的なWebの1ページは、サーバに25ヒットを記録するとも言われている。だとしたら、ヒットの観測というのは、実際のところいったい何を観測しているのだろうか? サーバに要求されたデータの数? 閲覧されたページ数? Webサイトへの訪問者の数?
上位離脱ページ
自分のWebサイトから離脱した訪問者が多いページを観測することで、いったい何がわかるだろうか? それらのページがあまり重要でないこと?
いやいや、その離脱ページで訪問者は自分が探していたまさにその情報を見つけたから離脱した、という可能性だってある。Amazon.comでソニーのデジカメを探している場合を考えてみてほしい。普通は、欲しいモノを見つければ、カスタマーレビューを読んで、すぐに離脱する。そのページを訪れる人の99%はきっと同じ行動を取るに違いない。離脱率を計測しても、そのページのコンテンツがいいのか悪いのかを判断することはできないのだ。
エンゲージメント
同様のことがエンゲージメントについても言える。エンゲージメントは1人の訪問者(ユニークビジター)による複数回のセッションとして計測されるが、仮に、多くの人があなたのWebサイトを何度も訪れて、何回ものセッションを記録しているとしよう。その理由は、何度来ても探し物が見つからないからなのか、世界最高の美しいサイトにある完璧なコンテンツを何度も見に来るためなのか、判断できるだろうか?
訪問者の画面解像度
訪問者の画面解像度は、いかなるシナリオに対してもほとんど意味のない、悩ましい指標の最たるものだ。おおよそどんなWeb analyticsツールにも、Webサイト訪問者のモニター画面解像度のレポート機能が備わっていて、日計レポートに掲載されているが、数ヵ月にわたって計測していてもほとんど変化することはない。
にもかかわらずレポートを見続けるのは退屈だし時間の無駄だ。それならいっそ、Forrester ResearchやGartnerが発表している調査を読んで自分の業界の最新傾向を把握し、自社のWebサイトの最適画面解像度をどれぐらいにすればいいか考えるという方法で十分ではないだろうか?